川上未映子さんの「あこがれ」を読みました。

これは!
まだ誰の感想も見ないで書く!

あ、大きなネタばれはしないようにします。
が、読むつもりの人は例によってお気を付けて。

ものすごく良かったです。この作品が彼女の小説を読んだ初めてで、良かった。

「ミス・アイスサンドイッチ」「苺ジャムから苺をひけば」の2編。
後者のタイトルをネットで見て、いいなと思ってたらツイッターで同じタイトルをお勧めいただき、さらに行ったコンサートでは苺ジャムが歌詞に出てくる歌を聞き、え、読むでしょ、いまでしょ、と、数日後の仕事帰りに最寄りの本屋で購入。
名久井直子さんの装丁もすてきです。


全編が、あこがれそのもの、でした。
最近思うのは、あくまで自分はなんですけど、
表現として、あこがれを形にしたもの、体現したものが、とても好きです。
愛もいいなあと思うけど、次のステージのような気がしている。
特に「ミス・アイスサンドイッチ」のミス・アイスサンドイッチを描写した一節、とても良くて、機会があればどこかで、声に出して読んでみたいくらい。

小学生のこどもたちが主人公のお話。小学生のこどもたちの、あこがれについてのお話、ということかもしれない。
でも、
読み終わって思うのは、
このふたりの関係こそが、たぶん小学生のわたしの、あこがれだったということです。もちろん今も、といいたいけど、これはどうしてもやっぱり今じゃない、小学生のときのわたしの、あこがれを形にしたものだと思うのです。
小説読んでこんな気分になったのは、初めてです。



駅のホームの待合室で棒のアイス食べてるおじさん。許す。