鳥が歌う

2012年にリリースしました「鳥が歌う」というアルバムにいただいたコメント
今読める場所がどこにもなかったので 再掲させていただきます。

歌人・小説家の雪舟えまさんと、音楽家・山口のカレー屋「オニオン座」店主の佐々木匡士さん。自分がひとりで歌い始めるかなり前から、お二人の表現をずっと尊敬しています。

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「tower」

未来の街のようにも思える
彼女の心の内だけにあった景色を
美しい言葉で描いて 聴くものをその中でひととき遊ばせてくれる
音楽にはこういうことができるのだと
あらためて気づかせてくれました

kyoooさんが歌うと 雨の街が
風の交差点が 大きな木に囲まれた公園が
おしみなく腕をひろげてくれる
わたしも彼女のまねをして 星にさよならといってみる

お留守番が すきだったんじゃないかしら
ひらけばこんなにありありと立ち上がる
飛び出す仕掛け絵本のような 自分の世界を持っている女の子は
 
雪舟えま

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憂いを帯びた鳥の歌。
乾いた声が響く。
青い夜のこと。
月は目を閉じて、その歌を聴いている。
優しさを感じました。
 
佐々木匡士