「イーハトーボの劇列車」


松田龍平さん主演ということで当然チェックはしていたのですが、今回チケットは買ってなかった。例によって今日の昼間が空いたので、さて映画でも観るか、どうしようか、、、とこの舞台をふと思い出して検索したらちょうど上演中!しかも当日券を売ってるというので、イチかバチか出かけてみることにしました。(転売サイトやら、連れが行けなくなった人のツイッターやらも見ましたが、なんとなくすべてを天に任せたい気持ちだったのでやめました。)


気合のわりにギリギリに家を出てしまい、ビリの7人目で到着。当日券は6枚だそう。並んだ順に購入順を決める抽選券(最後の一枚)を引いたところ、数字は「7」。おっ・・・となり、帰ろうかと思いましたが「お並びください」ということで待つ。
案の定6名の方々はそのまま当日券を購入されて、「キャンセル待ちならできます」ということだったので、キャンセル待ち1番の札を受け取り一旦退散。聞くと招待客とかで時々キャンセルがあるらしい。落ち着かないまま星野珈琲でパスタを食べる。


開演15分前に紀伊国屋に戻り、堂園昌彦さんの歌集「やがて秋茄子へと至る」探す。ありました!!しかも2冊分のスペース使った平積みで。うれしく即購入。
堂園さんはわたしがツイッターで「ボブディランに熱狂する人があれだけいるんだったら、双葉双一に熱狂するひとはもっといてもおかしくない」と単純に不思議なこととして書いたときに力強く同意してくださって、勝手に同志的な心強さを感じています。歌集の紹介は読み込んだら改めて。


4階のホールに戻り、おそるおそる受付に声をかけたところ「ご案内できます!」との返事で一気に力が抜ける。この端っこの席しかご案内できないんですけど、、、と指された席は一番後ろかなと思ったら「A」だった。まさかの最前列、天に任せた自分グッジョブと思いつつ、若干足が震えながら劇場へ。


前置き、長くてすみません。ということで観れました。
よかったです。宮沢賢治という人がいたことを知ってさえいれば、できればひとつぐらい著作を知っていれば、予習不要で楽しめる舞台だと思います。新宿で来週までやってますよ。
雑感畳みます。


・これをいうと元も子もないですがとにかく最前列なのがよかった。役者さんの表情が全員(端だったから、逆向いてる人はわからないけど)はっきり見えて、ちょっと泣きそうなときとか、感情がダイレクトに伝わってきた。
・それでも全体的に淡々としていてあまり心を乱されない進行はとても好み。
・音響をほとんど使わず、役者の声で効果音を表現する演出。歌はほぼアカペラ。あと配置換えもぜんぶ役者がしてたかな?これもよかった。
・松田さん歌うのか、、とちょっとはらはらしていた(失礼)のですが、杞憂。朗々とした良い声でした。どっちかというと台詞より歌のほうが良かったかもしれない(失礼?) とはいえ賢治は間違いなくはまり役。
・書き順、書き順・・!と思ったのは私だけではないはずだ
・車掌役の岡部たかしさん。すごくよかった。なぜかアンガールズの田中を思い出してしまったのですけど写真見ても似てないね?調べてて気づいたけどカルテットのたこ焼き屋さんは彼だった。まったく印象が違ってびっくり。
宮沢賢治は思っていたよりだめな人っぽかったんだけど、人間らしくていいね。
・音楽担当が一昨年観た「羅生門」と同じ人だった、ことも終演後パンフレット見て気づいた。
・古い脚本なんだなということをわかってないと違和感のある表現はいくつかありました。
・でもあの脚本を表現するのにすごくいい劇場、役者、演出、だったと思う。よいものをみました。


余談ですが、花巻には旅行で行ったことがありそのとき賢治記念館にも行きました。だから予備知識はあるほうだったかも。いいところだったのを覚えています。