「子どものことを子どもにきく」杉山亮

読み終えた。すごく良い本だと思います。全部読んだ後にまた読み返したくなる。
お父さんが子どもに3歳から10歳まで毎年インタビューした記録で、やはりなんというか「面白い」のは最初の数年間。途中から完全に会話が成立しだすので、ちょっと、つまらなくなってきたとすら感じてしまう(大人の勝手なところです)。そして10歳になったところでお父さんである筆者も「子ども時代は終わった」と感じ、インタビューは終了。
本編も面白いのですが、この本、2回文庫化されていて、そのために書かれたあとがき2本が素晴らしい。素晴らしいというか、これを読むことでその後の隆さん(筆者の子ども。実名を出している)の成長ぶりというか、足取りがわかるのだけど、「ああ、あの隆くんが、、」という、もはや親戚のおばさん擬似体験。そしてその気になればいまの隆さんに会えてしまう情報まで載っている。

ということで読むなら古本とかより最新の文庫をお勧めします。Amazonのレビューにも似たようなことが書いてあった。

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そうそう、こういう本にはつきものの「親が勝手に子どものことを書く問題」、たとえば椎名誠さんの「岳物語」は後の岳さんにそうとう怒られたと聞く(売れた規模が違いますが…)。その点この本は完全に成功していて、成長した隆さんが再発にあたり原稿チェックしてオールOKだったそう。
子どもに対する真摯さがあって、ずっと子どもにかかわる仕事をしてきた筆者が最大限に気をつけて書かれたものなのだと思う。年代がちょっと古いので今の常識に照らすと「え、それは大丈夫なのか」という事柄もちょいちょい出てきますが、編集者が「(このまま再販して)大丈夫」と太鼓判を押した、というのも納得です。
あと、本編に入る前に挿入されている谷川俊太郎の詩!本編読んでから読み返すと、うわあ〜となります。

さて、上の子はことし3歳になりますが、インタビュー、、できるかなあ。

※古いって書いたけど隆さん私ともしかすると同い年でした!